洗い場
カテゴリ | リゾート |
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名前 | 匿名 |
性別 | 男性 |
年齢 | 48才 |
勤務歴 | |
時給 | 900円 |
勤務地 | 群馬県 |
企業名 | ホテルグリーンプラザ軽井沢 |
投稿日 | 2011/09/27 |
7月1日の午前9時前、集合場所の西新宿にある駐車場に到着した。 ところで、どのバスに乗ればいいのか分からず、あらかじめ知らされていた案内係の携帯に電話した。 総務の担当者が出たが、すぐにやってきて草軽交通のバスが停まって所に案内された。すでに10人足らずの人が乗車を待っていて、中にはアベックもいた。 ところが、出発の定刻前に点呼をとったのだが、まだ数名の人が来ておらず引き続き待つことになった。これから同じホテルで働くことになるであろう周囲の人には、同年代の男性もいたので、バスが出発するまで歓談した。 かれこれ30分延長して待ったがメンバーが揃わず、どうやらドタキャンのようだった。 9時半頃アルバイトの赴任用にチャーターされたバスは西新宿を出発した。 途中、車内で書類を渡され、総務の人から雇用に関する説明を受けた。 やがて高速を降りたバスは北軽井沢に到着した。プリンスランドの目抜き通りに入って駐車場の様子が目に入ったが、梅雨時期の平日にもかかわらずかなり車が停まっていた。 実は、当方がホテルグリーンプラザ軽井沢のアルバイトに応募する際、本来の軽井沢である長野県のエリアより群馬県に位置するプリンスランドはあまり混まないだろうと予想していた。ところがのちのちこの予想が根拠のないもので、むしろその正反対であることを思い知らされることになる。ホテルだけで夏季アルバイトを100名くらい募集しているのだから、その背景が分からなかったのが愚かだったといえる。 ヤングロッヂに着くと、一室で総務の担当者から雇用契約書を渡され、そのあと配属先の上役から仕事に関する注意事項が告げられた。ちなみに、当方のセクションは洗い場だった。 さて、当方は個室寮を申し込んでいたが、ヤングロッヂに隣接する別棟は最近建てられたばかりの瀟洒な建物だった。 部屋もワンルームになっていて、ユニットバス、トイレ、ベッドがあり、それにテレビや冷蔵庫も設置されていた。ただし、靴の中から放たれる悪臭のような臭いが籠もっており、前任者の使用に問題があったのかもしれないと思った。 のちのち知ることになったが、この独身寮に入居しているアルバイトのマナーは酷いものだった。 たとえば、寮の外にサンダルで出て、帰ってくると履き替えることなく土足で廊下を歩いていたりしていた。 また、一般的に独身寮は男女別になっているが、ここは一緒で男性の部屋の隣に女性が入居していたりしていた。なので、夜中でも一室に複数の男女が集まり騒いで、隣室で仕事で疲れて寝ている者にとってはたまったものではなかった。 たとえばの話だが、万が一、異性不純行為があったとしても誰にも分からないだろう。それらは入居者の道徳心を信じるしかないようだった。 さて、早速、翌日から仕事だった。この日仕事するレストラン『浅間』に行くと、これから上司や先輩になる人に挨拶し、長靴やエプロンが支給された。 浅間の洗い場は仕分け、洗い、片付けという風に分業化されていて、だいたい3人が業務に就いていた。 初日は仕分けを担当したが、器の置き場所が分からないので自然とこの持ち場を任されることになった。 はじめての仕事をした感想はというと、端的にいえばキツイの一言だった。それはこれまで自分が無職で仕事をしてなかったため体が鈍っており、また職業によって体の筋肉を使う部分が違うので慣れるまではガマンするしかないと思った。 一方、赴任早々食べ物が原因で体に酷いアレルギーを引き起こしてしまった。おそらく社員食堂で食べたカレーが原因だと思った。なぜなら、当方は新鮮でない海産物などを食べるとアレルギーを引き起こすのだが、カレーは作り置きする場合が多いからだ。 それはそうと、この会社の社員食堂は前金制で食券を現金で購入しないと食べられない。自分などはてっきり給料から天引きと思い込み、あまり現金を持参していなかった。なので安価なカレーばかり食べていたのだが、そんな貧乏生活がこの事態に至らせてしまったようだった。 ある日、『暁の湯』の体重計に乗ると赴任してから12日で8キロ痩せていた。 これは仕事がキツイ上に食に関して問題が生じてしまったのが背景にあると思った。 赴任してから1週間ほどしたらアルバイトが増員し、本格的な夏休みに入る7月21日を皮切りに宿泊客が大挙して押し寄せ、洗い場も多忙になった。 この頃になると7月初旬はバイキングが300,400だったのが、1200~1600の間を推移するようになった。レストランも『浅間』『プレジール』以外に、『白樺』『エーデルワイス』『セラヴィ』も営業するようになった。 店舗が本格的なシーズンに入り開店するとアルバイトもたくさん入ってきた。単純に一店舗3人だとすると、最低でも4店舗分(エーデルワイスは白樺に含む)の人員が必要になってくるので12人は必須で、公休の交代要員を入れると繁忙期は20人くらいのスタッフがいる。 確かに8月の大型連休を前に大学生の短期アルバイトが入ってきたが、その前は、週一回くらいの休みしかなかった。 それはさておき、このアルバイトを始めてから過労が酷く、それはオーバーワークが原因のようだったが、仕事を続けられるかどうか自分でも分からなかった。 そんなお盆休みを前にしたある日、とんでもなく混雑し、忙殺される日があった。 実は、この日の後、辞めることを決めた。当初はやがては体が慣れるだろうと考えていたが、過労による疲れがますますたまっていた。そのうえ、背中が痛くてしかたがなかった。風呂に入っても休みをとっても状態は良くならなかった。 ところで、当方は『浅間』に固定されたが、メイン館のこのレストランが一番忙しかった。その次に少し間隔を隔ててリゾート館の『プレジール』で、たまにシフトでこのレストランに配属されると浅間に比べて随分楽だと思った。ちなみに、このホテルのバイキングはほどんどがこの2ヶ所のレストランで出されている。あとの『白樺・エーデルワイス』と『セラヴィ』は年輩者と女性の職場だった。 したがって、浅間に固定されると仕事がキツイのでリタイヤする人が大勢でて、その他のレストランに配属されると酷使されないのでほとんど辞める人はいないという、なんとも不条理な状況がある。 なお、ホテルグリーンプラザ軽井沢は日系の人を大勢雇っているが、日系ブラジル人はタフで勤勉でハングリーだ。彼らの仕事に対する姿勢は見習うべきで、尊敬に値する。 それはそうとして、入社するときは比較的簡単に入れたが、いざ辞めるとなると面倒な手続きを踏まなければならなかった。まず、所属部署(料飲課)の上役に承諾を請い、その後、総務に届けを出さなければならなかった。なお、当方は直接雇用だったが、人材派遣から来ている人は派遣元の会社にも申し出ないといけないのだろう。 帰途に就く8月31日はアルバイトを終える人が多く、スタッフ専用にバスがチャーターされていた。 当方は直接雇用なので当日に給料を精算してもらったが、このホテルは残業もしっかりついて、そのうえ支払が早く、信頼できる会社だと思う。 また、入社から退社、はたまた職場や寮の問題解決にも関わる総務の社員は、紳士的でとても感じのいい人たちだった。 ときに、今回、ホテルの忙しさには圧倒されたが、雇用いただいたホテルグリーンプラザ軽井沢には感謝の意を表し、この記事が来シーズンからのアルバイトを検討されている人の一助となれば幸いである。